分析化学
Print ISSN : 0525-1931
技術論文
抽出溶媒にベンゼン及びトルエンを用いない魚介類中のアルキル水銀分析法の検討
西村 一彦平間 祐志山口 博美高橋 哲夫桂 英二
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 61 巻 10 号 p. 857-862

詳細
抄録

魚介類中のメチル水銀,エチル水銀分析法について検討を行った.臭化物化したアルキル水銀を酸性硫酸銅存在下でシクロヘキサン/酢酸エチル(1 : 1 v/v)混合溶液を用い抽出した後,1% システイン─酢酸ナトリウムで逆抽出を行い,テトラフェニルホウ酸ナトリウムでフェニル誘導体化しイオン選択ガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)(SIM)で分析を行った.その結果,ベンゼン,トルエンを用いなくとも良好にメチル水銀,エチル水銀の抽出が行えた.本分析法の性能評価の結果,メチル水銀は真度(%)106.4,併行精度(RSD%)8.9,室内精度(RSD%)12.1,エチル水銀は真度(%)87.4,併行精度(RSD%)8.3,室内精度(RSD%)7.6であり,厚生労働省によって示された性能基準を満たす分析法であった.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry 2012
前の記事 次の記事
feedback
Top