日本大腸肛門病学会雑誌
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臨床研究
肛門管内外の解剖学的区画と病態に基づく痔核程度分類
小杉 光世
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2012 年 65 巻 6 号 p. 307-312

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抄録

本邦では脱肛を患者の還納法で診断するゴリガー内痔核2,3度程度分類(以下G分類)が汎用されている.痔核を対象に脱肛と肛門管内外の解剖学的部位および病態の関係を観察し他覚的程度診断を検討した.肛門管内外の粘膜下と皮下空間を上方から第1(歯状線上方粘膜下),第2(歯状線から括約筋間溝の肛門上皮下),第3(肛門縁外側肛門皮下)区画とし,痔核存在区画域と病態から肛門管内・外静脈瘤で1区画軽度を1度,発育病変を2度,2区画病変を3度,3区画病変を4度とする他覚的基準の痔核程度分類(以下P分類)とした.G分類との比較ではP分類2度のG分類3度診断とP分類3度のG分類2度診断痔核が交叉混在し,存在部位病態基準P分類と脱肛還納法G分類に一定の相関性と非相関乖離がみられた.肛門管内外痔核部位と病態に基づく程度P分類が切除術と硬化療法の痔核手術法選択および手術成績評価基準となる臨床的意義を報告した.

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© 2012 日本大腸肛門病学会

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