日本作物学会紀事
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品種・遺伝資源
関東で栽培したウコン類のクルクミン類の含量および抗酸化能の比較
森下 敏和山口 博康出花 幸之介清水 明美中川 仁
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2013 年 82 巻 1 号 p. 56-62

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抄録

アキウコン11系統,ハルウコン6系統,ガジュツ3系統を供試して関東 (茨城県)で2004年と2005年の2年間,クルクミン類 (curcumin, monodemethoxycurcumin, bis-demethoxycurcumin) の含量と抗酸化能を調査した.アキウコンは国内産と台湾産を中心とした8系統から成る総クルクミン含量が200~700 mg/100 g乾物重 (DW) のグループ (アキウコンI) と,東南アジアの3系統から成る1800 mg/100 gDW以上のグループ (アキウコンII) に分けられた.ハルウコンは6系統とも総クルクミン含量が50~100 mg/100 gDWでアキウコンIより低かった.ガジュツ3系統のうち2系統はクルクミン類を含まなかったが1系統は約1500 mg/100 gDW含んでいた.またクルクミン類の各成分の含有比はアキウコンIとIIで異なっていた.大部分の系統は2004年よりも2005年の方がクルクミン類の含量と抗酸化能が高かったが,年次相関は有意であり,年次変動は大きくてもグループ間の序列は安定であった.色彩値からはクルクミン類の含量が推測可能となる精度は得られなかったが,グループの区別は可能であった.

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© 2013 日本作物学会
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