目的:乳腺疾患に対して第二世代超音波造影剤Sonazoid®を用いた造影超音波を行い,その特徴と意味を検討した.対象と方法:造影超音波が行われ,組織診断が確定した乳癌97病変と良性30病変を検討対象とした.Sonazoid®は混濁液として0.0075 mg/kgを静脈内投与し,Pulse Subtraction low Mechanical index modeやMicro flow imagingで観察した.結果と考察:微小気泡の共鳴信号を高い時間空間分解能で画像化する造影超音波により,微細な染影や細かい血管走行の描出が可能であった.染影は病変内部の不均一性を反映し,病変周囲に限局した染影は浸潤性発育に伴う腫瘍血管の存在を示し浸潤癌に特徴的な所見であった.血管走行は病変の発育形態を反映し,良性病変では多数の分枝を持つのに対し,悪性病変では分枝に乏しい走行を示した.結論:乳腺造影超音波では病変の微細な構造を観察することが可能であった.