1995 年 13 巻 1 号 p. 1-12
本研究は, 予測項目数が意味プライミングに及ぼす影響を行動指標及び事象関連脳電位を用いて検討した.大学生10名を被験者とし, 2条件で実験した.反意語条件ではプライム・ターゲット対として, 反意語対を呈示し, カテゴリ条件ではカテゴリ名とその事例を呈示した.ターゲット刺激の語彙判断時間における促進効果と抑制効果は反意語条件で大きかった.N400は非関連, 及び非単語ターゲットに対して大きかった.さらに, どの試行タイプにおいてもカテゴリ条件の方が大きなN400が惹起された.これらの結果から, N400は単語認知における検証過程を反映することが示唆された.