日本農村医学会雑誌
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症例報告
緩和ケアチームによる部分的オピオイドローテーションで疼痛コントロールが良好となり, 娘の結婚式に参加することができた1事例
植松 夏子柴原 弘明岡本 妙子木下 早苗眞野 香青山 昌広西村 大作伊藤 哲吉田 厚志
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2012 年 60 巻 6 号 p. 764-769

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抄録

 直腸癌術後仙骨転移による坐骨神経痛に対し緩和ケアチームが介入した。娘の結婚式を控え,早急な疼痛緩和と,レスキューの人工肛門からの投与経路変更が必要であった。投与していたフェンタニル貼付剤25.2mg/72hrを16.8mg/72hrへ減量し,モルヒネ注射薬3.6mg/hrを新たに併用した部分的オピオイドローテーションと,患者自己調節鎮痛ポンプによる経静脈的経路へのレスキュー投与経路の変更により,患者は疼痛なく,家族も安心して結婚式に参加することができた。今回行なった部分的オピオイドローテーションは,①比較的短時間に行なえる,②異なるオピオイドを新たに加えるため鎮痛が期待できる,③オピオイド変更による副作用が全量オピオイドローテーションより少ない,といった利点がある。癌患者の疼痛緩和での薬剤調整は,患者と家族の視点で立案することが肝要である。

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© 2012 一般社団法人 日本農村医学会
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