日本緑化工学会誌
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技術報告
染色余剰汚泥の配合割合を高めた屋上緑化材用セラミックス多孔体の開発
北川 賀津一中村 静夫田畑 裕之奥谷 晃宏金田 明久玉井 禎人大西 和弥長谷川 和久
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2011 年 37 巻 3 号 p. 433-436

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抄録

染色余剰汚泥30 重量% に鋳物スラグと粘土,及び少量の焼成珪藻土を配合し,厚さ13 mm ,幅500 mm ,長さ1,000 mm の平板を押出成形,最高温度980℃ で焼成し多孔体を試作した。このセラミックス多孔体は以下の物性値を示した。(1)厚さ:15 mm,(2)かさ比重:0.75,(3)飽和含水率:45 %,(4)曲げ強度:1.6(N/mm2),(5)熱伝導率:0.13(W/mK)。汚泥30 % 多孔体は,汚泥10 % の現行品と比較し,成形時は同一の厚みでも焼成後の厚みが40 mm から15 mm に減少したが,かさ比重,飽和含水率,熱伝導率は同程度であった。汚泥30 % 多孔体にセダム4 種を植栽し検証を実施し,汚泥10 % 現行品と比較し根付きに時間が掛かったが,活着後は基盤への根付きは良好であることを確認した。現行品より薄型,軽量で,新規用途の薄型緑化材用基盤として開発が期待される。

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