2013 年 35 巻 Special_Issue 号 p. 41-45
日本産業衛生学会の専門医制度は,平成4年4月に正式発足して以来今年で21年目を迎えた.産業医大ではこの専門医制度の事務局として発足当時よりこの制度の一端を支えてきた.この項では,今までの専門医制度の経緯と専攻医資格を含めた新制度について述べるが,日本産業衛生学会が目指すところの専門医は,労働安全衛生法に定める産業医,労働衛生指導医,労働安全衛生コンサルタントなどの現行制度下における実務的資格あるいは身分とは全く競合するところのない独立の制度となるべきもので,これら既存の資格に代わることを目的とするものでもない.むしろ,将来,専攻医から専門医を資格し,十分な経験を積んだ専門医が,労働衛生指導医や労働衛生コンサルタントとして活用されるようになることが期待されるものである.