汚泥焼却灰を含む水スラリーからの高効率固液分離プロセスの開発を目的とし,旋回式クロスフローによる脱水実験を行った.また,汚泥焼却灰スラリーの性状を評価するため,異なるスラリー濃度,pHにおける流動抵抗を測定するとともに,スラリーへの分散剤添加が流動抵抗や旋回式クロスフローによる脱水性能に及ぼす影響について評価を行った.汚泥焼却灰スラリーはスラリー濃度が25%以上で擬塑性を示し,スラリー濃度が高くなるとともに指数関数的に流動抵抗値が大きくなった.スラリーのpHによって流動抵抗値に大きな変化は見られなかったが,分散剤添加は流動抵抗値に影響を与え,分散剤を汚泥焼却灰スラリーに添加することで35%以上の高スラリー濃度領域においても流動抵抗が小さくなり,またせん断速度に対する流動抵抗の変化も小さくなった.旋回式クロスフローによる汚泥焼却灰水スラリーの脱水においては,スラリー濃度にかかわらずほぼ一定の脱水速度を維持したまま連続的な脱水が可能であり,また分散剤をスラリーに添加することでさらに高い脱水率が達成可能であることが明らかとなった.