2008 年 23 巻 1 号 p. 53-59
シェア=国際保健協力市民の会は、2002年より東ティモール共和国エルメラ県にて、保健教育促進プロジェクトを実施してきた。2006年3月、軍の一部兵士の反乱をきっかけに起きた騒乱が、同年6月の最多時に約15万人の国内避難民(以下、避難民)を生み出したのを受け、同年8月から12月の間、シェアは首都ディリ地域において保健・医療支援を実施した。
2006年8月から11月までに実施した巡回診療での合計患者数は1,227人であった。また、避難所での保健教育は合計42回実施し、のべ753人の避難民が保健教育を受けた。
他団体とのコーディネーションを重視し、国の政策に沿った形で活動を実施することができた。シェアが東ティモールで開発してきた保健教育教材・手法及び人材を活かし、避難民の罹患率低下のために有効なアプローチができたと考える。