2008 年 69 巻 11 号 p. 2766-2769
症例は63歳,女性.乳癌術後補助化学療法のために中心静脈ポートを用いた外来化学療が行われていた.化学療法完遂から6カ月後にヘパリンフラッシュしたところ,右前胸部の疼痛を訴えた.胸部レントゲンを撮影したところ,右下肺動脈内に断裂したカテーテルの先端を認めた.ただちに経大腿静脈的に断裂したカテーテルを摘出した.中心静脈ポート留置後の合併症として,感染などに加え,カテーテル断裂も念頭に置いて,留置と管理を行う必要があると考えられたので,若干の文献的考察をまじえて報告する.