静脈経腸栄養
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症例報告
上腕に留置したポートによりHPNを施行した若年者クローン病の1例
井上 善文廣田 昌紀阪尾 淳野村 昌哉藤田 繁雄森 エミ
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キーワード: 上腕ポート, クローン病
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2005 年 20 巻 4 号 p. 4_25-4_28

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抄録

症例は18歳、女性、クローン病。在宅経腸栄養法へのコンプライアンスが不良であったため、在宅静脈栄養法HPNを実施した。ポートを用いてHPNを実施する場合、前胸部にリザーバーを留置する方法が行われているが、皮膚瘢痕の問題に加え、リザーバー埋め込み部分が皮膚面から突出するという問題もあり、QOLを損なう可能性がある。本症例は若い女性であるため、特に整容上の問題およびQOLを考慮して上腕ポートという新しい方法を採用した。局所麻酔下に上腕内側で尺側皮静脈切開によりカテーテルを挿入し、皮下トンネルを介して上腕外側にリザーバーを留置した。予想以上にリザーバー埋め込み部皮膚の突出は目立たず、留置後3年が経過しているが、合併症の発生もない。現在、ポートに関しては、リザーバーを前胸部に留置するという方法がもっぱら実施されているが、上腕外側にポートを留置するという方法は、整容上の問題とQOLを考えた時、一つの有力な選択肢となると考えられる。

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© 2005 日本静脈経腸栄養学会
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