静脈経腸栄養
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症例報告
ポートおよびBroviac catheterを用いたHPN症例におけるカテーテル管理成績
井上 善文廣田 昌紀阪尾 淳野村 昌哉藤田 繁雄森 エミ
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2006 年 21 巻 1 号 p. 1_99-1_105

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抄録

在宅静脈栄養法HPNにおいてはカテーテル管理が極めて重要で、合併症を発生することなくいかに安全に管理するかが、その成否を左右する。平成10年9月から平成17年4月の間にHPNを導入した23例(悪性疾患7例、良性疾患16例)を対象とし、カテーテル管理成績(完全皮下埋め込み式カテーテル20例、Broviac catheter3例)について検討した。悪性疾患では平均カテーテル留置期間は153日で、合併症のためにカテーテルを抜去した症例はなかった。良性疾患ではHPN実施期間が平均1178日、症例あたりの使用カテーテル本数は平均1.375本であった。カテーテル入れ換えまでの期間は平均1154.7日で、その理由はカテーテル敗血症が3例、セプタムからの液漏れが2例、カテーテル閉塞が1例であった。全体での合併症発生頻度は0.204回/1000日、カテーテル敗血症発生頻度は0.153回/1000日であった。欧米でのHPN症例におけるカテーテル管理成績と比較しても合併症発生頻度は低く、良好な管理が行われていると考えられた。

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© 2006 日本静脈経腸栄養学会
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