ウイルス
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APOBEC3ファミリー蛋白
高折 晃史
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2005 年 55 巻 2 号 p. 267-272

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抄録

 APOBECファミリー蛋白は,Cytidine deaminaseに保存された配列を有する蛋白質ファミリーである.当初,そのプロトタイプであるAPOBEC3GとHIV-1に関する研究により,そのメカニズム等に関する多くの知見が集積された.すまわち,APOBEC3Gは,1本鎖DNAのCをUに変換することにより,G/A hypermutationをウイルスゲノムに導入し,その複製を阻害する.一方,HIV-1 Vifはユビキチン・プロテアソーム径路を用いてこれを分解し抑制する.その後,他のAPOBECファミリーメンバーによる抗ウイルス活性の発見や標的ウイルスの拡大により,本ファミリー蛋白が広範なウイルスに対する抗ウイルス自然免疫として重要な役割を担っている姿が明らかになりつつある.本稿では,その発見の経緯から,現在のトピックスまでを解説する.

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© 2005 日本ウイルス学会
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