ウイルス
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HIV-1粒子には複数のcyclophilin isoformが存在する
三隅 将吾
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2005 年 55 巻 2 号 p. 273-279

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抄録

 HIV-1粒子内にpeptidyl-prolyl cis-trans isomerase cyclophilin A(CyPA)が取り込まれることは,周知の事実である.しかし,ウイルス粒子を精製し,プロテオーム解析により蛋白質レベルで詳細に解析してみると,すくなくとも4個のisoform(等電点 6.0, 6.4, 6.53, 6.88)が存在することが判った.これらの内CyPA6.00, CyPA6.40, CyPA6.53はウイルス粒子内に存在し,CyPA6.53はアミノ末端がアセチル化を受けていることが同定された.一方CyPA6.88のウイルス粒子外への再分布のメカニズムはまだ判っていないが,ウイルスが出芽後移ウイルス膜を通過することが明らかになった.

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© 2005 日本ウイルス学会
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