ウイルス
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特集2:C型肝炎ウイルスによる発癌機構とその治療
C型肝炎ウイルスゲノムの複製
加藤 宣之
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2008 年 58 巻 2 号 p. 191-198

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抄録

 培養細胞を用いたC型肝炎ウイルス(HCV)レプリコンシステムや全長HCV RNA複製システムの開発によりHCVの複製機構についての研究が大いに進展した.さらに,これらのRNA複製システムはルシフェラーゼのようなレポーター遺伝子の導入により抗HCV剤のスクリーニングに適したシステムに改良された.HCVレプリコンや全長HCV RNAを有する細胞の年単位における長期培養により得られたHCVの遺伝子解析からHCVの遺伝的変異の蓄積や遺伝的多様性の増大が培養期間に依存して起こることが示された.HCVレプリコンや全長HCV RNAにおける適応変異の出現はHCV RNAの複製システムにおいて特徴的な現象である.ほとんどのHCV RNA複製システムではヒト肝癌HuH-7細胞株が使用されているが,適応変異の特殊な組み合わせによりHuH-7細胞以外の新しいヒト肝癌細胞株を用いたHCV RNA複製システムが開発された.

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© 2008 日本ウイルス学会
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