2008 年 23 巻 1 号 p. 145-149
本研究では,大腿部と下腿部の回旋を個別に測定できる装置を作製し,スポーツ動作中の膝関節の回旋運動を捉えることを目的に行った。着地動作について,特にACL損傷が発生しやすいとされる着地動作初期に注目し,膝関節運動を解析した。対象は下肢に既往のない学生30名(男性15名,女性15名)とした。結果として,大腿に対する下腿の回旋(膝関節回旋)は男性については静止立位から踵接地にかけて外旋することが明らかとなった。女性については膝関節が外旋するものと内旋するものに二分された。したがって,正常膝であっても女性では着地動作初期において,膝関節の外旋も内旋もありうるということが明らかとなった。