2008 年 23 巻 3 号 p. 447-451
〔目的〕本研究の目的は,片脚および両脚着地における膝関節角度と下肢筋活動の相違を検証することである。〔対象〕健常男性9名とした。〔方法〕高さ30 cmの台から片脚と両脚による着地動作を行った。関節角度は,矢状面上の膝屈曲角度と前額面上の膝外反角度を算出した。筋活動は,中殿筋,大内転筋,大腿直筋,内側広筋,半膜様筋,大腿二頭筋について記録した。〔結果〕片脚着地は両脚着地より,有意に膝屈曲角度が小さく,膝外反角度は大きかった。片脚着地の筋活動は,すべての筋で両脚着地より有意に増加した。特に中殿筋は,片脚着地が両脚着地の約3倍を示した。〔結語〕片脚着地は両脚着地より膝屈曲角度が減少し外反角度が増加するため,前十字靭帯損傷のリスクが高まるものと推察された。