日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
―第44回大会から―わが国における在宅栄養療法の現状と展望
高木 洋治
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 100 巻 7 号 p. 819-828

詳細
抄録

在宅中心静脈栄養法(HPN)や在宅経腸栄養(HEN)により, 患者のQOL向上がみられている. HPNでは6割以上が社会復帰を果たし, 6割以上が継続中である. カテーテルは約6割が継続使用中で, トラブルによる抜去が3割弱で, 重篤な代謝合併症は少ない. HENは調査した66%の施設が施行しており, ベッド規模が多い病院ほど施行率が高く, 経皮内視鏡的胃痩造設術(PEG)が普及している. 今後, 高齢化と診療報酬改訂により在宅医療が更に普及し, 在宅栄養療法患者は増加すると思われるが, その普及には医療従事者のみならず,患者側をも視野に入れた情報提供と教育充実ならびに診療報酬の改定や院外ネットワークなどのシステム作りの確立が望まれる.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
次の記事
feedback
Top