日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
揚かまぼこのガンマー線照射による変敗抑制効果
伊藤 均EDWARD G. SIAGIAN
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 26 巻 8 号 p. 342-345

詳細
抄録

揚かまぼこのガンマー線照射による貯蔵期間延長を目的として,10℃における貯蔵効果とミクロフローラの変化について検討した。供試品は保存料無添加のもので,照射前にK-セロハンで窒素ガス置換包装を行った。
非照射品は3~6日貯蔵で1g中の菌数が105~106個に達し,MicrococcusやMA菌,乳酸菌,酵母菌,糸状菌などが増殖してきた。いぽう,300krad照射すると酵母菌のみが増殖してきたが,生育がゆるやかなため1g中の菌数が105個に達するのに約20日要した。各分離株の放射線感受性をしらべたところ,灰黒色の糸状菌Spicariaが著しい放射線抗抵性を示した。食味に対するガンマー線照射の影響は500kradでもほとんど認められなかった。

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top