2012 年 4 巻 2 号 p. 158-163
欠損歯列の評価として,咬合三角,アイヒナーの分類,受圧条件,加圧条件などから,症例の全体像の特徴,補綴物の効果とリスク,その後の進行の傾向などを推測している.しかし同じ欠損形態でも,その評価が処置方針に直結しない場合も多々あるため,さらに細かい評価項目を設けて,経過のなかから処置方針を考えていく方法をとっている.今回初期に予想された病態の進行がみられなかった症例を通じて,上記の評価基準の次の評価として,加圧条件にも影響する咬合力のバランスも,欠損歯列を読む評価指標として必要ではないかということを検討してみた.