筋萎縮性側索硬化症(ALS)在宅療養の積極的な支援体制構築には,現状の療養実態を検討することが必須である.われわれは愛知県下31保健所を対象に在宅ALS患者に関する調査をおこない,県下ALSの4割に相当する136例の療養情報をえた.結果,会話以外の意思疎通手段の必要性,専門医とかかりつけ医の診療役割の可塑性,公的支援利用の不徹底,配偶者への介護負担集中,居宅サービス利用希望の低さ,レスパイト入院先確保に関する乏計画性が浮き彫りとなった.したがって在宅療養支援体制のより一層の充実には,支援に関わる各職種の役割分担明確化を推進し,社会資源の確実な利用と早期からの個別支援計画立案を徹底させることが重要である.