2012 年 50 巻 8 号 p. 661-668
鉄筋コンクリートにおけるコンクリートと鉄筋間の力の伝達とそれらのずれは,付着応力とすべりと呼ばれ,それらの関係は付着構成則と呼ばれる。付着構成則を表現するモデルには多種多様なものがあり,有限要素法による鉄筋コンクリートの解析においては,モデル化の前提をよく理解した適用が必要である。本学会では,付着構成則に関する情報を整理し,その利用に関する提言をすることを目的とし,「コンクリートと補強材の付着定着挙動と構成則の利用研究委員会」を組織して研究活動を行った。本稿では,その活動の中で行った,鉄筋周辺のメゾスケール解析,過去の文献調査結果,テンションスティフニングに関する考察の一部を紹介して解説する。