日本看護科学会誌
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原著
母親の子どもに対する「愛着–養育バランス」尺度の開発 第2報
—尺度としての信頼性と妥当性—
武田 江里子小林 康江加藤 千晶
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2012 年 32 巻 4 号 p. 4_22-4_31

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抄録

目的:母親から子どもへの「愛着」「養育」を測定する「愛着–養育バランス」尺度の信頼性と妥当性を検討する.
方法:1か月,6か月~1歳未満,1歳6か月の子どもを持つ母親630名を対象に自記式質問紙調査を行った.「適応」「敏感性」「親密性」それぞれの愛着的因子・養育的因子の計6因子で構成された「愛着–養育バランス」尺度と,設定した外部指標を調査内容とし,尺度の信頼性・妥当性を検討した.
結果:クロンバックのα係数0.882,探索的因子分析ではおおむね想定した因子構造が得られた.確認的因子分析ではGFI=.842,AGFI=.812,RMSEA=.074であった.既知グループ法で有意差がみられ,外部指標とは有意な相関がみられたが,0.7以上の相関ではなかった.
結論:基準関連妥当性に検討の余地は残ったが,信頼性,構成概念妥当性は支持され,母親の養育者としての発達を測定する尺度として使用可能といえる.

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© 2012 公益社団法人 日本看護科学学会
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