日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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症例報告
蝶形骨内髄膜腫を合併した神経サルコイドーシスの1例
藪内 健一岡崎 敏郎中村 憲一郎花岡 拓哉荒川 竜樹木村 成志熊本 俊秀
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2012 年 32 巻 1 号 p. 145-152

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抄録

症例は56 歳,女性.乳癌の既往あり.2010 年5月より霧視と羞明感を自覚していた.同年9月に頭痛,難聴および右顔面神経麻痺が出現し,近医にて髄膜炎と診断されたが,頭部MRIで右蝶形骨内に造影される腫瘤を認め,当院転院となった.神経学的に右末梢性顔面神経麻痺,両側難聴,項部硬直,小脳失調および下肢異常感覚を認めた.ACE高値,ツベルクリン反応の陰転化,CD4/CD8 比の増加,両側肺門リンパ節腫脹およびGa シンチグラフィ集積像を認めた.経気管支肺生検にて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が指摘され,神経サルコイドーシス(組織診断群/probable群)と診断した.右蝶形骨内の腫瘤は,外科的生検の結果whorl formationの存在,vimentinおよび S-100蛋白陽性から髄膜腫と診断した.サルコイドーシスに頭蓋内腫瘤を認めた場合,腫瘍との鑑別が困難である場合が多いため,外科的生検が必要である.

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© 2012 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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