2013 年 69 巻 1 号 p. 1-9
高い地下水位を有する未固結地山で山岳工法(NATM)によってトンネル掘削を行う場合,切羽の安定は地下水の状況に大きく左右される.このため,施工に際しては地下水位低下工法の併用や地下水位の常時観測などが重要となる.著者らは,このような現場でより安全かつ合理的な施工管理を行うためのツールとして,数値解析による新しい切羽安定性評価法を研究開発した.本論文では,この手法の妥当性を施工事例を基に検証した結果を述べ,切羽安定性評価,補助工法選定が簡易に行える指標を提案する.