肝臓
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原著
超音波造影剤ペルフルブタンガイドによる肝腫瘍に対するラジオ波焼灼療法の使用実態下における安全性ならびに有効性の検討
早川 晶子阿部 研自谷川 雅俊高橋 周美内田 安彦奥谷 幸裕
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2012 年 53 巻 11 号 p. 721-733

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抄録

Perflubutane(以下,sonazoid®)による造影超音波ガイド下にて肝腫瘍にラジオ波焼灼療法(以下,RFA)を施行した症例(以下,SZ群)328例とsonazoid®を使用せずRFAを施行した症例(以下,C群)340例の2群の特定使用成績調査を実施し,sonazoid®による造影超音波ガイド下におけるRFA時の安全性,有効性を検討した.有害事象はSZ群67.1%,C群69.3%であり,その種類および頻度に差は認められなかった.副作用はSZ群に1例(悪心,嘔吐)認められた(0.3%).SZ群のRFAガイドとしての総合評価(有効率)は90.9%,造影前後の病変視認性向上率は75.0%であり,Bモードの病変視認性が明瞭でない症例のRFA成功率は,SZ群でC群より有意に高かった(P<0.001).sonazoid®は,肝腫瘍のRFAガイドとして安全かつ有効に使用可能であり,造影による病変視認性向上はRFA成功率にも寄与することが示唆された.

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© 2012 一般社団法人 日本肝臓学会
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