北関東医学
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症例報告
亜砒酸投与により深昏睡を来たした前骨髄球性白血病の一例
外山 耕太郎佐藤 成田原 研一神保 貴宏村上 博和野島 美久塚本 憲史
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2012 年 62 巻 4 号 p. 419-422

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抄録

ヒ素は腹部症状, 多発神経炎, ときに中枢神経症状などの急性中毒をきたす重金属として知られている. Arsenic trioxide (ATO) 療法は再発・難治性の急性前骨髄球性白血病 (APL) に対して有効な治療法で, その副作用の多くはコントロール可能である. 我々はAPL再発に対してATO単独療法施行後に昏睡状態となった症例を経験した. ATO投与の副作用として中枢神経症状は非常にまれで, これまでに意識変容を呈した症例は4例報告されているが, いずれもその背景に原因となり得る基礎疾患を有していた. 我々の経験した症例は諸検査で深昏睡を来す他の原因が証明されず, 24時間後に回復したのちに深昏睡の再燃を認めていないことから, ATO 投与により深昏睡を呈したものと思われた.

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© 2012 北関東医学会
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