2012 年 27 巻 4 号 p. 439-443
〔目的〕ビデオブラウザ(VB)を用いた歩行のステップ時間および歩幅の簡易的測定の同時的妥当性および評価者内・間信頼性を検討した.〔対象〕被検者は健常成人女性10名,各変数の評価者は理学療法士と理学療法学科学生の2名とした.〔方法〕歩行条件は正常歩行および装具歩行とし,10 m歩行路を快適速度で歩いた時の歩行場面をビデオ撮影した.ビデオ画像から三次元動作解析装置(3D)およびVBを用いて計測されたステップ時間,歩幅について,それらの妥当性及び信頼性を評価した.〔結果〕各歩行条件で3DとVBとの間に有意な回帰係数を示し,級内相関係数は0.78~1.00,誤差値は低値を示した.〔結語〕VBを用いたステップ時間および歩幅の測定は簡便で客観性及び経済性を有し,歩行障害を呈する症例の歩行分析に臨床場面で有用である.