症例は69歳男性.糖尿病性慢性腎不全により,2008年7月に透析を導入し,近医にて維持透析(2回/週:火,土)を受けていた.定期腹部超音波にて膵尾部癌+多発性肝転移の診断を受けた.2009年4月に当院紹介入院,血液透析併施ゲムシタビン単独療法施行を開始した.月曜午後にゲムシタビン(1000mg/m2×3投1休)投与し,火,土の透析計画とした.ゲムシタビン投与直後から有害事象がみられ,投与間隔の延長や休薬,投与量の変更を余儀なくされた.著しい貧血や血圧低下のためにシャント不全に対するPTAや輸血の対応が必要となった.治療開始後1.5ヵ月のCTにてStable Disease(SD)の判定,CA19-9の低下を認め,外来通院にて治療継続となった.その後本人および家族との協力の下で治療継続し,2010年6月に永眠された.文献的考察を含め報告する.