はじめに
このハンドブックについて
DOIハンドブックは、DOIシステムに関する主要な情報ソースです(※1)。このハンドブックは、DOIシステムをビジネスレベルおよび技術レベルで説明することで、コミュニティがシステムを理解し、登録機関(RA)がシステムに基づいてサービスを提供できるように支援します。
ファクトシートやFAQなどのその他の情報資源はウェブサイトで入手でき、関連する場合はこのハンドブックから引用されています。
対象者
このハンドブックは、DOI登録機関(RA)、アプリケーション設計者/開発者、RAコミュニティなど、DOIシステムを通じて提供されるサービスに携わる方、あるいはDOIシステムに関心を持つ可能性がある方を対象としています。
構成
このハンドブックには、以下の内容が含まれます。
- 第1章:DOIシステムの概説 この章では、DOIシステムの歴史、目的、基本原則、利点、アプリケーションを紹介します。
- 第2章:DOIシステムのガバナンスと参加 この章では、DOI財団とDOIシステムにおける登録機関の役割と機能について説明します。また、DOIシステムを管理する方針を要約し、方針策定プロセスを説明します。
- 第3章:DOI名前空間 本章ではDOI名の構文を定義します。また、DOI名の割り当ての原則と、他の識別子スキームをDOIシステムに統合する方法についても説明します。
- 第4章:DOIメタデータ この章では、DOIシステムの主要な技術的コンポーネントの一つであるDOIデータモデルの基礎と、メタデータスキーマに従い割り当てられたDOI名のメタデータの相互運用性を保証する機能について説明します。
- 第5章:DOI識別子/解決サービス この章では、DOIシステムパッケージに含まれる識別子/解決サービスについて説明します。
- 第6章:DOIアプリケーション この章では、解決を利用して、複数のDOI解決オプションから選択された最も適切なコンテンツにDOI名を解決する機能をアプリケーションに提供するいくつかの方法を取り上げます。オプションには、手動選択を提供するポップアップメニュー、コンテンツネゴシエーション、リンクトデータによる統一自動選択があります。
- 第7章:DOIアプリケーションの設計と開発 この章では、ビジネスアナリストや開発者がDOIシステムに基づいてアプリケーションを設計、開発するのを支援します。
- 第8章:RAと登録者方針の定義 この章では、登録機関や登録者が独自の方針を定義することを支援します。
- 第9章:RAサービスの運用と保守 この章では、登録機関のサービス運用チームがサービス運用業務を実行するのを支援します。
- 付録
- 用語集
- インデックス
※1 DOI https://doi.org/10.1000/182は、このハンドブックの最新版にリンクします。
標準文書
DOIに関連する主な標準文書は以下のとおりです。
- ISO 26324:2022 「Information and documentation — Digital object identifier system(情報と文書-デジタルオブジェクト識別子システム)」
- 「デジタルオブジェクト識別子解決プロトコル(DO-IRP)仕様)」バージョン 3.0 2022年6月。
https://www.dona.net/sites/default/files/2022-06/DO-IRPV3.0--2022-06-30.pdf
注意:DOI財団は、デジタルオブジェクト識別子解決プロトコル(DO-IRP)の公開を歓迎します。この仕様は、(DOI基盤(インフラストラクチャ)で使用されている)Handle®システムを管理し、関連する仕様を促進するために設立されたスイスの財団であるDONAによって公開されています。Handleシステムは、以前は 「情報を提供する(informative)」文書でしか明細に記されていませんでしたが、実装されなかった機能を削除した実証済みの規範文書の公開により、DOIインフラの堅牢性と信頼性が向上します。この基盤は、年間120億回以上使用され、この基盤に依存している様々な部門全体で3億以上のDOI名を解決しています。ほとんどのユーザーは、https://doi.org の堅牢なWebプロキシネットワークを介してDOIインフラにアクセスし、Handleシステムに直接アクセスすることはありませんが、この文書により、DOIシステムは将来にわたって世界クラスの水準を維持することが確実になります。