DOI® HANDBOOK

2.3 DOIシステムの管理方針

  1. DOIハンドブック
  2. 第2章 DOIシステムのガバナンスと参加
  3. 2.3 DOIシステムの管理方針

このセクションでは、DOI®システムの管理方針について紹介します。

2.3.1 方針策定プロセス

方針はDOI財団の付属定款と設立趣意書に沿って策定されます。この枠組みの中で、DOI財団とそのパートナーとの間で正式協定が結ばれ、それらの協定に一致する形で個々の方針が規定されます。

方針は、定期的に行われるDOI財団の会員戦略会議での協議を通じて策定されます。特定の分野を検討する作業部会を通じて方針が作られることもあります。コア仕様や方針の変更案はすべて、まず登録機関作業部会(RAWG)に送られて、RAWGメンバーが合意した定足数と議決手続きの下で審議と承認が行われます。RAWGによって承認された変更は、DOI財団理事会の承認を得なければなりません。

2.3.2 公式DOI文書の一覧

表2は、DOIシステムを規定する方針と協定の一覧です。

注:これらの方針はDOI®財団の全会員に拘束力を持ちます。

表2公式DOI文書
正式な文書 説明 参照
独占禁止方針 DOI財団は独占禁止法、規制とDOI財団が執り行うミーティング、プログラム、活動のすべての法域のガイドラインで厳格なコンプライアンスのオペレーションを実施しています。 独占禁止方針
利益相反方針 DOI財団のディレクターや役員の個人的利益に恩恵がある取引や合意契約を結ぶ検討をする際にDOI財団の利益を保護する方針。 利益相反方針
商標方針 DOI財団が所有する商標の使用に関するガイドライン。DOI®、DOI>®、DOI.ORG®およびshortDOI®はDOI®財団の登録商標です。 商標方針
特許方針 登録機関(RA)における特許権・請求に関する手順。DOIシステムの使用を望むすべての人々が、DOIシステムを平等な条件で使用できるようにし、DOIシステム・規格への共同投資を維持、保護し、RAが付加価値のあるサービスや機能を開発できるようにするためのものです。DOI財団自体はDOIシステムにおいていかなる特許権も所有していません。 特許方針
データ方針 データ(使用統計など)やDOI名解決に関する情報の機密性に関する方針。DOI財団と登録機関に適用されます。 データ方針
登録機関協調方針 DOIコミュニティの利益のため、登録機関間の衝突を解決し協調を奨励するための一般規定・手順。 協調方針
DOIプロキシ導入方針 登録機関(DOIプロキシサーバーのインスタンスを運営する登録機関と自身のローカルプロキシを運営する登録機関を含む)によるプロキシサーバーのサポートと機能、ならびにデフォルトプロキシのサポートとデフォルトプロキシの機能に関する要件 プロキシ方針
コア仕様 DOI財団の登録機関協定で扱われるDOIシステムの記述に関する技術仕様。 DOIコア仕様
登録機関の停止と解約 登録機関の停止や解約の場合にDOI 名を取り扱う手順の概略。 登録機関停止・解約手順
一般会員協定 DOI財団の一般会員が同意した、DOI財団に参加し、DOIシステムを利用するにあたっての条件を定める協定。 一般会員協定
登録機関協定 登録機関とDOI財団の関係を統治する協定。特定のコミュニティのニーズを満たすため具体的な管理放棄や例外が取り決められる場合を除き、各登録機関に対し平等な条件を定めています。 登録機関協定
ISO 26324:Information and documentation — Digital object identifier system(情報と文書-デジタルオブジェクト識別子システム) ISO 26324は、デジタルオブジェクト識別子システムの構文、記述、解決機能の構成要素、ならびにDOI名の作成、登録、管理の一般原則を規定しています。 1.8.1 ISO 26324