用語集
このセクションでは、本書の内容に関連する用語を解説します。*が記された用語は、ISO 26324で定められた意味を有します。
A
- 実行可能(actionable)
- インターネット上のシステムによって解決できるという意味。例えば、インターネットウェブブラウザにおいて実行可能な識別子を「クリック」すると、何らかのアクションが実行されます。
- 許容値(allowed value)*
- 要素の値として使用できる項目。
- API
- アプリケーションプログラミングインターフェース(Application Programming Interface)。複数のコンピュータプログラムが互いに通信するための方法。ソフトウェアのインターフェースの一種で、他のソフトウェアにサービスを提供します。このような接続やインターフェースの構築方法または使用方法を記述した文書や標準はAPI仕様と呼ばれます。この標準を満たすコンピュータシステムを、APIを実装または公開していると言われます。APIという用語は、仕様を指す場合と実装を指す場合があります。
D
- データディクショナリ(Data Dictionary)*
- DOIメタデータ宣言で使用される全データ要素とそれらの要素の許容値のリポジトリ。
- デジタルオブジェクト(DO)
- デジタルオブジェクトアーキテクチャ(DOA)において、デジタル、物理的または仮想的なエンティティを表現するために使用されるビット列またはビット列一式。
- DOIディレクトリ(DOI Directory)
- すべてのDOI名に対して信頼性の高い解決、管理、バックアップを提供するために配置および設定されたHandleシステムサービスとウェブプロキシから構成される仮想サービス。
- DOIメタデータ(DOI metadata)
- 曖昧でない記述とサービスをサポートする構造化データモデルに基づく、DOIシステムの中で対象物に付随するメタデータ。
- DOI名(DOI name)*
- DOIシステム内で一意にオブジェクトを識別する文字列。
- DOIプロキシ(DOI Proxy)
- Handleシステムプロトコル(DO-IRP)に対応するウェブサーバー。DOIシステムとHTTPSの間のゲートウェイとして機能し、URL「https:// syntax」におけるDOI名の解決を可能にする。この形式で表されたDOI名に遭遇する標準ブラウザは、ウェブブラウザの機能を拡張せずにDOI名を解決できます。
- DOIレコード(DOI record)
- DOI名を解決できる要素の集合。
- DOI構文(DOI syntax)*
- DOI名を構成する形式と文字の順序に関するルール。具体的には、プレフィックス要素、区切り文字およびサフィックス要素の形式と文字に関するルール。
- DOIシステム(DOI System)*
- 割り当て、解決、対象物記述、管理などを通じてコンピュータ可読形式の識別子としてのDOI名を割り当て、管理するための社会的・技術的基盤。
G
- GHR®
- グローバルHandleレジストリ(Global Handle Registry)。Handleの一次レベル(first level)解決を提供するHandleシステムの構成要素。システム内でHandleを担当するLHSを見つけるのに必要な情報を格納しています。
H
- Handle
- Handleシステムの基礎となる実行可能な識別子の概念。
- Handleシステム(Handle System®)
- DOIシステムの解決要素として使用される技術。Handleシステムは、インターネットなどのネットワークで使用される効率的で拡張性のある安全なグローバルネームサービスを提供する汎用分散情報システム。Handleシステムは、デジタルオブジェクトアーキテクチャ(DOA)の一部をなすDO-IRP(デジタルオブジェクト- 識別子/解決プロトコル)の特定の実装。
- HTTP
- ハイパーテキストトランスファープロトコル(Hypertext Transfer Protocol)。分散協調型ハイパーメディア情報システムのインターネットプロトコルスイートモデルのアプリケーション層プロトコル。World Wide Webのデータ通信の基盤。ハイパーテキストドキュメントには他リソースへのハイパーリンクが含まれ、ユーザーは、例えば、ウェブブラウザの画面上でマウスをクリックしたり、画面をタップしたりすることで簡単にアクセスできる。
- HTTPS
- ハイパーテキストトランスファープロトコルセキュア(Hypertext Transfer Protocol Secure)。HTTPの拡張版。コンピュータネットワーク上での通信の安全確保のために、インターネット上で広く使用されている。HTTPSでは、トランスポート層セキュリティ(TLS)(以前はセキュアソケットレイヤー(SSL))を使用して通信プロトコルを暗号化する。
I
- INDECS(インデクス)
- 「電子商取引システムにおけるデータの相互運用性(INteroperability of Data in E-Commerce Systems)」の略称。プロジェクト、一連の原則およびツールからなる枠組み(フレームワーク)。1998年から2000年にかけて実施された複数参加者によるプロジェクトに由来。DOIシステムにおけるメタデータへの取り組みに分析的基盤を提供。
- 相互運用性(interoperability)*
- 独立したシステムが意味のある情報を交換し相互にアクションを開始して、相互に有意義な連携をして動作できること。
- 国際標準化機構(ISO)
- 各国の代表的な標準化機関が参加する標準の策定機関。国際規格などの文書を発行している。
- ISO 26324
- ISO 26324 情報とドキュメンテーション - デジタルオブジェクト識別子システム。DOIシステムを国際規格として規定するISO発行の国際規格。2022年版は第2版で、2012年に発行された初版を改訂したもの。
K
- カーネルメタデータ
- 各DOI名に割り当てられた、必須の小規模な標準メタデータ要素一式。
L
- LHS
- ローカルHandleサービス(Local Handle Service)。Handleシステムの構成要素で、ある特定の名前空間に属するHandleの解決と管理サービスを提供します。
- リンクトデータ(Linked Data)
- 他のデータと相互リンクされた構造化データ。セマンティッククエリを通じて有用性が高まる。HTTP、RDF、URIなどの標準ウェブ技術をベースに、人間の読者向けにウェブページを提供するのではなく、ウェブページの機能を拡張して、コンピュータが自動的に読み取れる形で情報を共有する。
M
- メタデータ(metadata)*
- DOIシステムの中で対象物に対応付けられる特定のデータ。構造化データモデルに基づき、DOI名の対象物に任意の精度と粒度のデータを対応付けて、識別、記述およびサービスをサポートできる。
- マルチプルレゾリューション(multiple resolution)
- 複数のリソースを返すDOI名の解決。
O
- 曖昧な文字列(opaque string)*
- 単純な検査では意味を認識できない構文文字列(意味を認識するにはメタデータが必要)。
P
- 永続性(persistence)*
- 存続し、発行者の直接管理外のサービスで明示された期限なしに使用できること。
R
- RA
- 登録機関(Registration Agency)。RAは1つまたは複数のユーザーコミュニティにDOIを活用したサービスを提供する。RAは、顧客層にサービスを提供するDOIシステムの1モジュールと見なすことができる。
- RDF
- リソースディスクリプションフレームワーク(Resource Description Framework)。もともとはメタデータのデータモデルとして設計されたワールドワイドウェブコンソーシアム(Wide Web Consortium:W3C)の標準規格。グラフデータを記述/交換する一般的な方法として使われるようになった。
- RDF / XML
- W3Cにより定義された、RDFグラフをXML文書として表現(シリアライズ)する構文。
- 対象物(referent)*
- DOI名によって識別されるエンティティ。
- 登録者(registrant)
- DOI名の登録者は、DOI名に割り当てられたメタデータを提供し維持する。また、DOI名サフィックスを割り当てることもできる。
- 登録管理機関(registration authority)
- 国際規格の下でコードへの名前の割り当てを管理するためにISOから指名された組織。ISOと登録管理機関の間の登録管理機関協定に、それぞれの義務と責任が定められている。
- 解決(resolution)*
- DOI名をネットワークサービスへ送信し、その応答として、オブジェクトの場所(URL)やメールアドレスなど、識別されたオブジェクトに関する1つ以上の最新情報を受け取るプロセス。
- REST
- 表現的状態遷移(REpresentational State Transfer)。ウェブサービスの作成に使用する一連の制約を定義するアーキテクチャスタイル。REST APIは、シンプルかつ柔軟にウェブサービスにアクセスする方法。
S
- シングルレゾリューション(single resolution)
- 単一のURLを返すDOI名の解決。
U
- URL
- ユニフォームリソースロケーター(Uniform Resource Locator)。俗にウェブアドレスと呼ばれ、ウェブリソースの参照先を示すもの。コンピュータネットワーク上の場所と、それを取得するためのメカニズムを指定する。URLはウェブページを参照するために最も一般的に使用されますが、ファイル転送、eメール、データベースアクセスをはじめとする様々なアプリケーションにも使われる。