4.2 ISO 26324に準拠したメタデータの要件
このセクションでは、ISO 26324で規定されているDOIメタデータの要件を説明します。
4.2.1 メタデータの一般要件
ISO26324に従い、対象物に関わる識別と記述およびサービス支援のため、任意の精度と粒度のメタデータをDOI名の対象物に関連づけることを可能にする構造化データモデルに基づき、DOIメタデータで対象物を明確かつ正確に記述します。これは、次のような目的があります。
- それぞれ独立したシステムが、DOI名が関わるトランザクションで情報を交換し、アクションを開始できるようにし、DOIユーザーのネットワークの中で相互運用性を促進する。
DOI名はどのような種類のオブジェクトにも割り当てることができるため、コンテンツの種類の違い(例えば、視聴覚コンテンツ、音楽コンテンツ、テキストコンテンツ)を超えた相互運用が可能になる。 - 登録者によるDOI名の管理で最低限のクオリティ水準を確保し、DOIシステム全体の管理を円滑化する。
4.2.2 メタデータの機能要件
ISO 26324に従い、DOIメタデータは以下の機能をサポートしなければなりません。
- あらゆる種類の知的財産の複雑なメタデータを処理する汎用的なメカニズム
例えば、音声キャリア、書籍、ビデオ、写真をそれぞれ異なる(類似している場合でも)特性を持つ根本的に異なる物として扱うのではなく、同じ高水準属性で異なる値を持つ創作物として認識し、そのメタデータは共通の環境でサポートします。 - 下記に関し、複数のアプリケーション間でのメタデータの相互運用性
- メディア(書籍、逐次刊行物、オーディオ、オーディオビジュアル、ソフトウェア、抽象作品、ビジュアル素材など)
- 機能(カタログ作成、検出、ワークフロー、権利管理など)
- メタデータのレベル(単純なものから複雑なものまで)
- 意味的障壁
- 言語的障壁
- 区別する必要があるオブジェクトを識別できるようにする機能的な粒度
4.2.3 メタデータの登録要件
ISO 26324に従い、DOI名が割り当てられる対象物を記述し識別するメタデータは、迅速かつ正確に記録するものとします。これに加え、
- 複数の既存スキームにわたって相互運用性を円滑化するため、DOIメタデータ宣言で使われるデータ要素と許容値は、リポジトリ(データディクショナリ)に入れなければなりません。
- メタデータは、DOIカーネルメタデータ宣言の最低要件を満たすものとします。